小保方晴子さんの手記が発表されたね。
レビューや報道されている要約を見ていると、大した内容は書いておらず、読む価値はないようなので特に読む気もない。
ほとんど言い訳と陰謀論なんだそう。
そういう研究者界隈のあれこれというのには全く詳しくないし興味もないのだが、再生医療界隈については少しばかり関わりがあったことがあるので、今日はそんな話。
STAP細胞というのは、ES細胞やiPS細胞と同様、再生医療に関わる細胞の研究だった。
それがどのくらい社会インパクトがあるかという点からしか僕は語れないので、その細胞の詳細は割愛する。
再生医療というのは、「病気やケガで失ったものをとりもどす」ための医療である。
失ったというと、足や腕の欠損なんかが最初に想像されるかもしれないし、そういうのももちろん含むんだけど、社会的インパクトとして大きいのは、移植関連じゃないかと個人的には思っている。
つまり臓器や角膜などの再生である。
現在、基本的には移植をすることでしか助からない重い病気が数百とあって、日本だけでも毎年何万という人が移植を待っている状態。
その万を超える人が、自分の細胞から病気の臓器を作れるようになれば、誰かが脳死になるのを待たなくても病気から立ち直れるということである。
小保方さんは、作成の簡易性などから他の細胞からの優位性なんかも訴えていて、今現在移植待ち患者本人やその家族から、実用化が早まる期待なんかもされていたわけ。
冷静に考えると医療界隈に限らず研究者が発表(発見じゃないよ)してから、最終的に実用化に至るまでは最低でも10年はかかるというのが現実なので、現在移植待ちの人が現在の研究発表の恩恵にあずかれる確率というのはとんでもなく低い。
まだ移植を待ったほうが確率が高いというもの。法も変わったしね。(これについてはまた記事にするかな)
ただ、希望を持つのはまた別の話だから。
いろんな研究がある中で、人の生死に関わる医療分野の研究発表というのは、そういう意味でも慎重にしていかないといけないかな、とは個人的に感じたね。
本当に難病に侵されている人(の親とかが多いけど)って、当たり前に海外の論文とかも検索して、日々新しい治療を追い求めてる。
「ガンを治す!」とかって、眉唾な本とか広告たくさんあるでしょう。
正直、今回のSTAP細胞騒ぎはそんな雑誌の裏の広告と同じようなものになってしまったなと。
きっと研究者にはほかの研究者に追い越されないためのスピード感とかタイミングとかもすごく大切で、小保方さんや理研にとってはそっちが優先されたのかもしれないけれど、待ってる人のこと、もうちょっと考えてほしかったかな。
詳しくないからこそ突拍子もないことあえて言うけどさ、自分の心臓を実験で作って、STAP細胞の実在を証明するくらいのこと、してくれればよかったのに。
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