日々、迷走

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元事務次官の償うべき罪は悔いるべきか

僕なんかのつまらない人生でも、圧倒的に頭のいい人にはいくらでも会ってきた。
それは僕自身の頭が世間一般から見て相対的に悪いのもあるかもしれないけれど、それでも「敵わない」と認識できるのは、まだ救いがあると自負している程度に、それはもう、沢山のすごい人と関わってきたと思う。
そしてその中には、国家一種の公務員もいて。
彼らも本当に頭が良くて。

そんな中での、今回の元事務次官の息子の件だったから、仕方ないな、って感じてしまうのも、無理ないと思ってしまう。
この、個人としての元事務次官の頭の良さとか、個人としての事情とか、何も知らないし、知りたいとも思わない。
例えば家庭を省みない父親であったとしても、子の教育方針が間違っていたとしても、事務次官を経験した頭の持ち主が、殺人という、文明社会の最大の禁忌を選択したなら、それはきっとその道しかなかったのかもしれないなと。
それくらい国家公務員をやるような人の頭の良さは圧倒的であると認識できる人だからこその感覚は、一意見として僕は「アリ」だと思う。

どうにもならない家庭環境に、鬱状態になっての犯行かもしれない。
年をとって、判断力が低下したからかもしれない。
年をとったから、今やらないとまずいと判断したのかもしれない。
殺して罪を償うことをすべて踏まえた上での、最善の判断だったのかもしれない。
自分の子供を殺すのに、どんな覚悟が必要で、どんな精神状態になるのか検討もつかないけれど、彼は彼なりに、凡人の頭では考えつかないほどに考え抜いて、追い詰められていたのかもしれない。

社会的に倫理的に「殺人は悪」であり「禁忌」であり、その選択だけはどんな事情でもあってはならないというのも、よく理解出来る。
ただ実際問題、自分がその立場になったとして、じゃあどうすればよかったのかって、誰か助けてくれるのかって、本当に自分事として考えた時、「絶対に自分なら殺さない」という人ほど信用出来ない人もいないと思う。

事務次官は罪を償わなければならないけれど、悔いなければならないかは、僕には判断がつかない。
過去の子育てや教育、振る舞いを帳消しにできないように、僕の身近な人を未然に救ったかもしれない未来を否定できないから。


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