夏目漱石が、I love you.を「月が綺麗ですね」と訳したのが眉唾だとか、そうじゃないとか。
今日の綺麗な月を見て、またひとつ、思い出話を思い出したので。
大学生の頃、あるバイト仲間と2人で歩いて帰るのが常になっていた時期があった。なおお互い女性、浮いた話ではない。
もう名前も忘れてしまったくらい短い期間だったけど、わりとお嬢な女子校育ちの僕に、バイトのズル休みとか、タバコとか、男遊びとか、色んなことを教わった。
そんな彼女といつも通り夜道を歩いていた。
その日は立派な満月で、タバコを吸いながら月を見上げて、彼女は
「月の光って、見すぎると病気になるんだって」と言った。
そしてボソッと「恨んでやる」と。
「え、誰を？月を？」と聞いたら、
「うん、病気になったら月を恨む」と言った。
その時は変な思考だな、と思っただけだったけど。
今考えると、めちゃくちゃエモい会話だなぁと思うし、名前も忘れた彼女のその言葉と、それでも目を細めて月を見る視線が、10年経った今も忘れられない。
なんの病気って言ってたかも忘れちゃったんだよね、なんか言ってたような気がするんだけど。
今になって「月の光 病」とかでggってもそれらしいのは出てこないから、これも眉唾話だったのかもしれない。
なんかでも、あの一瞬、忘れられないなぁ。
今日は十六夜みたいだけど。
綺麗な月なので、ぜひ空を見上げてほしい。
病の責任は、とれないけどね。
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