はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
好きな食べ物を、食事の最初に食べるか、最後にとっておくか、みたいな話。
好き好きだと思うので正解はないんだけど、僕には強烈に「この記憶があるから最後にとっておく」という出来事があって。
具体的に何歳くらいのことかとかは覚えていないんだけど、たぶん小学生の低学年かな。
小児喘息を患っていて、薬を常用する必要があった。
その日はお昼に薬を飲むのを忘れたままスイミングスクールへ行ってしまい、その帰りに親に「飲み忘れた分を今飲みなさい」と言われた。
スイミングスクールには毎回、ブリックパック(小さな紙パックのジュース)を持たせてもらっていて、自分の好きなタイミングで飲んでよいことになっていたのだけれど、その日は早々に飲み終わっていたんだよね。
で、水かお茶で薬を飲んだものの、いつもと違う環境だったこともあって口の中に薬の味がかなり残っちゃってて。
親に「ブリックパックは?もう飲んじゃったの?」って聞かれて、「飲んじゃった(((´;ω;`)))」ってなったのが、その後「好きなものは極力最後に残す」性質になったきっかけ。
書いてみるとそんな大事件でもないんだけど、わりとその状況は鮮明に覚えていて、未だに「好きなものを最後に食べて幸せになりたい」から最後に残すのではなく、「不味いものが最後に来て後味が悪いのを防ぐ」リスクヘッジの意味で残しておく感覚が近い。
ま、兄弟がいたので、残しておくと横取りされるリスクも往々にしてあったんだけどね。
一種の性格形成のひとつになった出来事だとは思う。