後日書くと昨日の記事で書いたので、忘れないうちに早速書いておきます。
RADWIMPSのドラマー、山口智史さんが無期限休業となった原因の神経病は、フォーカルジストニアと発表されていますね。
ミュージシャンに多い病気で、その仕事をするのに一番必要な部分が思うように動かなくなる、という、かなり特異な病です。
実は僕の知り合いのピアニストにもいて、彼は左手が動かなくなりました。
本当に見ていても、とても残酷な病気だなと思います。
日常生活に支障はありません。
彼は左利きですが、文字もかける、箸も使える、物を掴んだり放ったり、ピアノを弾く以外のことは何でもできるんですよね。
ただ、弾こうとすると指が曲がる。
え、嘘でしょ?!って、本人も、見ている人も思います。
彼がフォーカルジストニアになり、今まで弾けていた曲に詰まったとき、僕は初めて残酷な神の存在を疑ったことを覚えています。
その人の魂を、生きがいだけを持っていくなんて、誰かの、何かの悪意としか思えない。
本人がもちろん一番苦しいと思うけれど、見ているこちらも、その理不尽に、現実に、何かをぶつけてやりたいような衝動にかられました。
この病気、歴史はよく知りませんが、認知されたの遅かっただろうなと思います。
知らない人は、動かないのは練習不足、手が勝手に動くレベルこそプロ、って言ったりして、逆に悪化させたりするようです。本人でも、他人(先生とか親とか)でも。。
彼は発症した時点で、その病気の存在をすでに知っていたので、すぐに病院にかかって休養や神経の薬、鍼治療なんかもして、なんとかまたピアノを弾いています。
・・・正直に書きましょう。正確には、プロは若くして引退し、ピアノの講師として、ピアノにかかわっています。
これほんとに、ちゃんと書くか迷ったけれど、せっかく個人をぼかしての掲載許可ももらったし、最後まで書くべきだなと思ったので。
治った後、引退公演のようなものもやっています。ちゃんと成功したし、素晴らしい技巧曲を聴かせてくれました。
でも、心のどこかで、また舞台の上で動かなくなる瞬間がくるかと思っていて、それを想像してしまうことが、純粋に音楽を楽しめなくなったことが、引退の理由でした。
プロの中には、きちんと治った人もいます。
フォーカルジストニアは神経病であり、決して心の病ではないのだけれど、病気への対峙の仕方において、最後のひと押しを決めるのは、やっぱり心なんだとは思います。
僕の知り合いの彼は、自分が舞台に立って表現することと未来の舞台を華やかにすることを天秤にかけて、ただ後者を選んだだけのことだと言います。
RADWIMPSの山口さんには、また舞台で表現してほしいとは思っているし、4人のRADWIMPSが僕も好きです。
でも山口さん本人と、RADWIMPSの決断が未来にそうでなくなったとしても、僕はその未来もひっくるめてRADを大好きなままでいたいな、と思っています。
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