日々、迷走

ミドサー女が日々を迷走する雑記。音楽、海外、IT、ドラマ、アニメ、映画、等々。Twitterやってます。@moon_tuki

明日は我が身の鬱病 具体的に、そこであったこと

テレビで鬱病についてやっていた。

IT業界は本当にそういうものと隣り合わせで、僕は業界に入って10年も経っていないけれど、来なくなって休職している人も、亡くなった人も、また、その他特別対応をしている人もいる。

特別対応というのは、時短にしてみたり、簡単な作業を割り振ってみたり、そういうこと。

たぶんこういうこと書くとますますIT業界に入る人が減るんだろうけど、そして、プラスになる何か意味というのはないのだろうけど、少しだけ、具体的にどんなことがあったのか、書いてみようと思う。

 

まず、そもそものIT業界のしくみを前提としてインプット。

IT業界というのは、「寄せ集め業界」だ。

一つの現場に同じ会社の人が集まっている状況というのは本当にごく一部の大企業だけ(例えばgoogleさんとかね)で、基本的には隣の席に座っている人は別の会社の人、ということが多い。

世間一般の用語でいうと、アウトソーシングとか、外注とか、とにかくIT部分を切り出して、別の会社にそれぞれ委託する方法がとられていて、日本のIT技術を使う仕事、例えば銀行とか、運送とか、製造とかも、ほとんどがそういう「会社の寄せ集めの集団」でできている。

例えば僕のチームのリーダーも僕の会社とは別の会社の人だし、その上のPMも、隣の席の人だって、別の会社の人である。

みんながみんなそうってわけじゃないけど、そうやってできてることが多いってこと。

だから、普通の企業で言う先輩後輩関係みたいなものも希薄で、鬱っぽい人というのが見つかりにくい。

別の会社の人だからと、気にかけない風土が普通だし、変に外資系っぽい雰囲気もあって、個人主義的で、踏み込まないのが当たり前の世界になっている。

 

で、具体例ひとりめ。休職後、現場をやめちゃった人。

その人は、前に記事で書いたパワハラリーダーAさんの下についていた人。

前記事のBさんとは違う人なので、仮にCさんとでもしておきますか。

例にもれずAさんとCさんも全然違う会社の人で、そのときの仕事は、IT関連用品や事務用品の発注をしていた。

Aさんは、少しのミスでキレまくって、怒り散らして、Cさんが日に日に弱っていくのが周りはわかっていたと思う。

Cさんは怒られるとさらに萎縮するタイプだったから、叱られれば叱られるほど、ミスを連発した。

で、ある日、Cさんが数百万のIT機器を誤って発注するというとんでもないミスを起こし、Aさんは禁断の一言を放ってしまった 。

まぁ、禁断というか、よくある話だけど。

「お前もう帰れ!明日から来なくていい!!」

その日そのまま帰宅し、翌日から来なくなりましたとさ。

これはね、リーダーだったAさんの確認を通さずに数百万の発注ができてしまう仕組みがまずどうかしてたと思う。

結局そのままCさんはその現場をやめることになったので、その後の消息は不明です。会社は辞めてないと祈りたい。

結構な老齢の方だったしね。。

 

ふたりめ、次は鬱になって、やめさせられた人の話。

その人は若かったと思う。20代の男性で、仕事は運用系のセキュリティ関連のことをやっていた。

元々要領のいいタイプではなかったけれど、真面目で、朝は始業30分前に来て、夜も自分の作業が終わるまできっちりやってから帰る人だった。

ただ、その人も、上司との相性が悪かった。

上司は要領のいいタイプだったから、たぶん「見ているとイライラする」状況だったのだと思う。

本人は一生懸命やっているのに、怠けているように見えているのだ。

それで、上司は上司なりの正義感でその人に接した。

「自分の出来が悪いから遅くなって残っている分には残業はつけられないぞ」とか「お前IT向いてないから辞めた方がいい」とか。

さっきの「明日から来なくていい」ってのも何度も言っていたと思う。

そしてだんだんと、朝来られなくなってきた。

元々電車遅延の多い沿線に住んでいたこともあるのだが、週に最低でも3回は電車遅延の連絡をしてきて、身だしなみ等も崩れてきた。

なんでそうなったのか、スーツに大きな穴のあいた状態で出勤してきたり、明らかに頭にフケを満載にしてきたり。

とても20代の男性とは思えない状態になっていた。

実家暮らしだったから、たぶん、親の勧めなどもあったのだと思う、病院通いが始まり、大量の薬を持参するようになって、オフィスの自席で上司に見えるように飲んでいた。

ちょうど不景気のあおりもあって、業績不振の人員削減要員に、上司はあたりまえのように抜擢した。

お互い限界だったのだと思う。特に大きな騒動もなく、あっさり辞めていった。

 

三人目、亡くなった人の話なので、苦手な方はここまでで。

その人は、正直、僕とは違う仕事すぎて、何をしていたかまではよくわからない。

ただある帳票の受け渡しをするために、月に2,3度ほど、一言二言話をする程度の人だった。

30代の男性、詳しくは書かないが、プライベートでもいろいろと事情のある人だったらしい。

僕にとってはそれは突然に起こった。

その人は、月曜日の朝に、電車に飛び込んで自殺した。

実は月に2,3度の、そのタイミングが、その前の週の金曜日、つまり前営業日にあったばかりだった。

あのとき、僕の一言二言が、もっと優しい言葉だったら、と、思ったりもする。

きっと結果は変わらなかっただろうと、冷静に考えると思うのだが、なんというか、本当に、悲しかった。

ああ、この世界がそんなに嫌だったのだなぁと、生きていられなかったのだなぁと、すごくむなしい気持ちになった。

 

ちなみにその人とは別で、僕の親戚にもIT業界に務めていて、仕事で追い詰められて亡くなった人がいる。

普通に奥さんも子供もいる人で、はたから見るととても幸せな家庭に見えていたと思うし、僕は事情を知ってはいたけれど、まさか奥さんと子供を置いて本当に死ぬとは思わなかった。

ITをやっていると、こういう場面に、嫌になるくらい遭遇する。

統計情報は知らないけれど、軍人の次くらいに精神疾患を持っている人が多いのではないかと思うし、みんな明日は我が身で、半分覚悟した上でこの仕事をやっている部分もあると思う。

ある程度以上のお偉方のデスクの中には、常に不祝儀袋と黒のネクタイが入っている、と、まことしやかに言われたりもする。

ITなんていう、自然界にありえないものに常に触れている弊害なのかもしれないし、単純にコミュニケーションが苦手でパソコン相手の業界に入ってきて、やっぱり人間関係はゼロにはできないから確率が上がってしまっているだけの話なのかもしれない。

なにはともあれ、本当に明日は我が身。

僕が壊れていく前に、彼らの話が書けてなんとなく良かったと、自己満足にふける。

 


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